ライナー・キュッヒル、久々の新録音 SACDハイブリットで4月リリース決定!
ここに聴く作品の数々は、ウィーンの四季を描き出すような趣を呈している。R.シュトラウスやクライスラーは、ウィーンがもっとも華やぐ麗しき5月の新緑や花の薫りを漂わせ、サン=サーンスは音色やリズムが陽光あふれる夏の輝きを連想させる。ドヴォルザークの民族色豊かな曲想は抒情的で思索的な秋を思わせ、プフィッナーは雪化粧に包まれる冬のイメージ。とりわけ深遠で構築性に富み、重量級の内容を備えたソナタはキュッヒルのこれまでの経験が凝縮した円熟の演奏。盟友のピアニスト加藤洋之とともにプフィッツナーの魂へと肉薄していく。キュッヒルの演奏の大きな魅力は、ひたむきさと音楽に没入していく集中力にあると思うが、このソナタでは緊迫感と作品の内奥に迫る洞察力の深さも特筆すべき。これは滅多にレコーディングされない作品ゆえ、キュッヒル盤は貴重な録音であり、彼の音楽を愛する人へのかけがえのない贈り物といえるのではないだろうか。
(伊熊よし子:ライナーノートより)
収録曲目:
リヒャルト・シュトラウス、ヴァーシャ・プシホダ編曲
Richard Strauss Transcribed by Váša Příhoda
1. 歌劇《ばらの騎士》より “ワルツ” Rosenkavalier Walzer
フリッツ・クライスラー Fritz Kreisler
2. ジプシー奇想曲 Zigeuner-Capriccio
3. 狩り カルティエのスタイルによるカプリース
La Chasse Caprice im Stile von Jean Baptiste Cartier
サン=サーンス、ウジェーヌ・イザイ編曲
Charles Camille Saint-Saëns Transcribed by Eugène-Auguste Ysaÿe
4. カプリース Op.52, No.6 ワルツ形式の練習曲による
Caprice D'après l'Étude en Forme de Valse Op.52, No.6
アントニン・ドヴォルザーク Antonín Leopold Dvořák
5. ロマンティックな小品 Op.75 Romantische Stücke für Klavier und Violine Op.75
ハンス・プフィッツナー Hans Erich Pfitzner
6. ヴァイオリン・ソナタ ホ短調 Op.27 Sonate für Violine und Klavier e-moll Op.27
ライナー・キュッヒル(ヴァイオリン)Rainer Küchl (Violin)
加藤洋之(ピアノ)Hiroshi Kato (Piano)
Recorded on 19-21 June 2018 at Gotanda Bunka Center Music Hall
SACDハイブリット/ RRSC-20007
発売:株式会社アールレゾナンス
販売:株式会社キングインターナショナル
0コメント